Q.自宅で会社のメールをチェックする時間は労働時間か?

就業時間外に自宅で顧客や取引先などから届いているメールをチェックしている社員がみられます。
今のところ、メールをチェックしている時間が労働時間だという者はいませんが、就業時間外にメールをチェックすることは結果的に仕事をさせたことになり、労働時間となるのでしょうか。
また、休日をきちんと与えていないことになるのではないかということも気になります。

A:

労働時間とは労働者が現実に使用者の指揮命令下に置かれている時間をいいます。
就業時間外に届くメールをチェックしないと出勤してからの仕事が進まないのであれば、そのチェックの時間は労働から開放されているとはいえず、使用者の指揮命令下にいたとされ、労働時間と捉えられる場合もあるでしょう。

一方で、人によっては、仕事の進捗とは関係なくチェックすることもあることから、メールのチェックの時間すべてが労働時間となるかどうかは微妙なところです。

また、本来、休日は心身ともに仕事から開放され、十分な休息をとってもらうことを目的としていますので、メールをチェックする時間が長く、休まる時間が少なければ、休日を与えたとはいえないでしょう。

IT技術の進歩やスマートフォンなどが普及したことで、いつでもどこでも連絡が取れる状況になり仕事が進めやすくなったことは事実ですが、休日であっても、仕事に縛られてしまえば、結果的に、心身の健康が奪われていく引き金になることも考えられます。

したがって、就業時間外にメールをチェックする必要性がないのであれば、社員の自宅でのメールのチェックは禁止するよう指導された方が良いと考えます。

なお、メールをチェックした結果、緊急の呼び出し対応や自宅で仕事を行った場合には、実際に働いた時間は労働時間となりますので、当然それに見合った時間外手当が必要になります。

 

<ワンポイント・アドバイス>

個人情報保護法やマイナンバーの実施により、セキュリティ対策の重要性が高まっている中、自宅でメールをチェックできる環境は、情報漏えいの機会が無駄に増えて望ましくないと考えますが、どうしても必要な場合にはメールをチェックできる対象者を限定するなどの対応が必要となってくるでしょう。

また、フランスでは「つながらない権利(The right to disconnect)」法が2017年1月1日に施行され、従業員50人以上の企業は、従業員が、通常の営業時間外にデジタル通信からアクセス遮断をする権利を守る方法について協議し、やり方を定めることなどを求めています。

日本ではもちろんまだ法制化されていませんが、今後こうした考え方が広まることも考えられます。

特に上司からの部下への時間外・休日のメール送信などは、控えることを心掛けましょう。

 

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